今年の花火をもうご覧になりましたか? 近ごろは新作花火がどんどん登場して、年々色や形がきれいになっていますね。でも、きれいな花火を写真に収めるには一工夫しなければなりません。今回は花火撮影についてお話しします。

花火を写すことは、光の軌跡(残像)を撮ることと考えましょう。シャッターが開いてる間だけ光の動きが記録されます。露出は「絞り」で決まりますが、花火の種類によって明るさが違うので、それにあった絞り値を選ぶようにしましょう。
つぎの写真は夜間の道路を撮ったものです。テールランプの光跡が、時の経過を感じさせます。実は走っているクルマの光跡を撮ることと、花火を撮ることは同じようなことなのです。

この写真のシャッタースピードは8秒、絞りはf11です。止まっているクルマは写っていますが、移動してるクルマの暗い車体部は露出不足で、光跡だけが写ります。露出設定がオーバー気味だとテールランプの赤い光は白とびして写ってしまいます。見たままの赤の光跡だけが残るように写すにはアンダー気味にするのがコツです。

デジカメは一眼レフのフィルムカメラとくらべて、一般的にタイムラグ(シャッターボタンを押してから実際に撮影されるまでの時間のずれ)が大きいので、ちょっと早めにシャッターを押さなければなりません。そのタイミングはカメラによって違うので、自分の持っているカメラで実際に撮って慣れるしかありません。何度も挑戦してうまく撮れるタイミングをつかみましょう。タイムラグをなるべく小さくするためにフォーカスと測光はマニュアル設定にして撮ります。

私の場合、丸く開く花火は1/2秒で撮影しています。余分なものが写り込まないよう、開いた瞬間にシャッターがきれるようなタイミングでボタンを押します。

この写真は下の2枚の写真の合成です。レタッチソフト(フォトショップ6.0)の[レイヤー比較(明)]という機能を使い、仕上げました。明るい部分のみ合成されるので簡単に処理することができます。

花火の露出は「絞り」だけで決まります。また「シャッタースピード」の設定によって、写る花火の形状(光跡の長さ)が決まります。花火の明るさは種類によってまちまちで、色合いなどを忠実に再現するには、種類によって絞り値を変える必要があります。

この写真は、シャッタースピード1秒、絞りf4、ISO感度80で撮影しました。

右の写真は合成写真のように見えますが、実は1枚のストレート写真です。どんどんシャッターをきっているうちにタイミングよく撮れた“偶然の一枚”。そんな写真を見つけるのも花火撮影の楽しみです。

ズームレンズ付きのカメラなら望遠・広角と変化させて撮っておきましょう。打ち上げ時間は1時間でしたが、こんな感じで撮っていると、あっという間です。

ちょっと望遠系のストレート写真です。この手の花火は暗いので、絞りは開け気味にして、f4ぐらいで撮ります。

2枚の写真を合成したものです。左上の大きい花火が合成です。白色の花火は明るいので絞り込みます。f11それでもややオーバー気味です。NDフィルターなどを装着してさらにアンダーにする工夫が必要だったかもしれません。

花火の種類によっていろいろと設定を考えながら撮っていると結構忙しいものですが、それがまた楽しみでもあります。